
目次
会社名変更に伴う法人印鑑の作成をご検討の方へ
会社名を変更するときは、法人実印だけでなく、法人銀行印・角印・ゴム印もあわせて見直す必要があります。
新しい会社名の正式な表記や使用目的を確認しながら、必要な法人印鑑を準備しましょう。
会社名を変更することになったとき、忘れずに確認したいのが法人印鑑の扱いです。
「商号変更をしたら法人実印も作り直さなければいけないのか」
「旧会社名が入った印鑑は、変更後も使えるのか」
「法人実印だけでなく、銀行印や角印、ゴム印も変更する必要があるのか」
このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、会社名を変更したからといって、現在法務局へ届け出ている法人実印を必ず作り直さなければならないとは限りません。
ただし、一般的な法人実印には会社名が彫刻されています。旧会社名が入った印鑑をそのまま使用すると、契約書に記載された新会社名と印影内の会社名が一致しなくなります。
そのため、実際には商号変更に合わせて、新しい会社名の法人実印・法人銀行印・角印などを作り直す会社が多くなっています。
この記事では、会社名を変更したときに法人印鑑を作り直す必要があるのか、印鑑ごとの判断基準や改印手続きについて分かりやすく解説します。
この記事でわかること
- ✔ 会社名を変更したら法人実印を作り直す必要があるのか
- ✔ 旧会社名の法人実印を引き続き使えるのか
- ✔ 法人実印を作り直した場合の改印手続き
- ✔ 法人銀行印・角印・ゴム印の変更方法
- ✔ 商号変更後に印鑑以外で確認したい手続き
結論|会社名変更による法人実印の作り直しは必須ではない
会社名を変更しても、現在法務局へ届け出ている法人実印を必ず作り直さなければならないというわけではありません。
法務局へ届け出る会社の印鑑には大きさなどの条件がありますが、変更後の会社名を必ず印面に入れなければならないという決まりではないためです。
したがって、旧会社名が彫刻された法人実印を、そのまま法務局への届出印として使用できる場合があります。
ただし、法律上使えることと、実務上使いやすいことは別です。
契約書や登記事項証明書には新しい会社名が記載される一方、法人実印の印影には旧会社名が残ります。取引先や金融機関から確認を求められたり、書類上の会社名と印影が異なることで説明が必要になったりする可能性があります。
会社名変更後の判断
- 法人実印の作り直しは、商号変更だけを理由とした法律上の義務ではない
- 旧会社名の印鑑を継続して使用できる場合がある
- 新会社名との不一致を避けるなら、作り直して改印する方が分かりやすい
- 銀行印・角印・ゴム印もあわせて確認する必要がある
今後長く新しい会社名を使用するのであれば、商号変更のタイミングで法人印鑑を整理し、新会社名に合わせて作り直す方法が現実的です。
法人実印を新しい会社名で作り直した方がよい理由
旧会社名の法人実印を引き続き使用できるとしても、商号変更後は新しい会社名で作り直すことをおすすめします。
書類の会社名と印影を一致させられる
法人実印は、重要な契約書、不動産取引、融資、登記関係の書類などに使用されます。
書類には新しい会社名が記載されているにもかかわらず、押されている印鑑には旧会社名が入っていると、書類を受け取った側が疑問を持つ可能性があります。
商号変更の経緯を説明すれば問題なく進められる場合もありますが、手続きのたびに説明が必要になるのは効率的とはいえません。
新しい会社名の法人実印へ変更しておけば、登記上の会社名と印影内の会社名を一致させられます。
旧会社名と新会社名の印鑑を区別できる
商号変更の前後では、旧会社名で作成した書類と、新会社名で作成した書類が混在する期間があります。
新しい法人実印を作っておけば、どの時期に、どの会社名で作成した書類なのかを確認しやすくなります。
旧会社名の印鑑については、誤って使用しないように保管場所を分けるなど、社内で管理方法を決めておくことが大切です。
取引先や金融機関に説明しやすい
会社名を変更すると、取引先、金融機関、行政機関などへ変更を知らせる必要があります。
法人印鑑も新会社名に合わせて変更されていれば、「商号変更に伴い、印鑑も変更した」と一貫した説明ができます。
特に法人銀行印については、金融機関ごとに変更手続きや必要書類が異なるため、口座を開設している銀行へ事前に確認しましょう。
会社名変更で確認したい法人印鑑の種類
会社で使用する印鑑は、法人実印だけではありません。
会社名を変更したときは、法人実印・法人銀行印・角印・ゴム印などをそれぞれ確認する必要があります。
| 印鑑の種類 | 主な用途 | 会社名変更後の対応 |
|---|---|---|
| 法人実印 | 登記、重要契約、不動産取引など | 作り直しは法律上必須とは限らないが、新会社名での改印を推奨 |
| 法人銀行印 | 法人口座、銀行取引 | 新会社名で作り直し、金融機関へ変更手続きをすることが多い |
| 角印 | 請求書、見積書、領収書、納品書など | 書類上の会社名と合わせるため、原則として作り直しを推奨 |
| 法人認印 | 日常的な契約書、申込書など | 新会社名が入っている場合は作り直しを推奨 |
| 住所印・ゴム印 | 請求書、封筒、申込書など | 会社名が含まれているため、通常は作り直しが必要 |
法人実印
法人実印は、法務局へ届け出ている会社の正式な印鑑です。代表者印や会社実印と呼ばれることもあります。
一般的な法人実印は二重の円で作られ、外側に会社名、内側に「代表取締役印」などの役職名を彫刻します。
商号変更後も現在の印鑑を使い続けることは可能な場合がありますが、新会社名で新しい法人実印を作った場合は、法務局への改印届が必要です。
法人実印・法人銀行印・角印の基本的な違いについては、次の記事でも詳しく解説しています。
法人銀行印
法人銀行印は、法人口座の開設や預金の払戻しなど、金融機関との取引に使用する印鑑です。
旧会社名が入った銀行印を継続して使用できるかどうかは、金融機関の取扱いによって異なります。
会社名を変更したときは、登記事項証明書などを用意し、口座名義の変更とあわせて銀行印の変更が必要か確認しましょう。
会社名だけを変更し、代表者や所在地、法人番号が変わらない場合でも、銀行側で所定の手続きを求められることがあります。
角印
角印は、請求書、見積書、納品書、領収書などの日常的な会社書類に押す印鑑です。
角印には会社名をそのまま彫刻することが多いため、会社名を変更した場合は新しい会社名で作り直すのが基本です。
書類に記載された会社名と角印の会社名が異なると、取引先に不安を与える可能性があります。
商号変更後も旧会社名の角印を誤って使用しないよう、新しい角印が完成した段階で管理場所を分けましょう。
住所印・ゴム印
住所印やゴム印には、次のような情報が入っています。
- 会社名
- 本店所在地
- 電話番号
- FAX番号
- 代表者名
- インボイス登録番号
会社名が入っているゴム印は、商号変更後にそのまま使うことが難しいため、基本的には作り直しが必要です。
組み合わせ式のゴム印を使用している場合は、会社名の部分だけを新しく作り、住所や電話番号の部分を再利用できることもあります。
新しい法人実印を作った場合の改印手続き
新しい会社名で法人実印を作成した場合は、その印鑑を法務局へ届け出る「改印」の手続きが必要です。
新しい印鑑を作っただけでは、自動的に会社の届出印が切り替わるわけではありません。
印鑑(改印)届書を提出する
法人実印を変更するときは、本店所在地を管轄する法務局へ「印鑑(改印)届書」を提出します。
改印届には、一般的に次の内容を記載・押印します。
- 変更後の会社名
- 本店所在地
- 会社法人等番号
- 印鑑提出者である代表者の資格・氏名・住所
- 新しく登録する法人実印
- 代表者個人の実印
代表者個人の実印について、市区町村が発行した印鑑証明書の添付が必要になる場合があります
。使用する様式や必要書類は、管轄法務局や手続きを依頼する司法書士へ確認してください。
商号変更登記と同時に手続きする
会社名を変更する場合は、法務局で商号変更登記を行います。
新しい法人実印をあらかじめ作成しておけば、商号変更登記と改印の届出をまとめて進めやすくなります。
新しい印鑑の完成が遅れると、商号変更登記後も旧会社名の法人実印を使用する期間が生じます。
会社名の変更日が決まったら、登記手続きから逆算して法人印鑑を注文しておくと安心です。
印鑑カードはそのまま使える場合がある
同じ会社が法人実印だけを変更する場合、現在使用している印鑑カードを引き続き使用できることがあります。
ただし、本店移転、代表者変更、印鑑カードの紛失などが同時に発生している場合は、別の手続きが必要になる可能性があります。
商号変更と同時に複数の登記事項を変更する場合は、事前に法務局または司法書士へ確認しましょう。
会社名変更後の法人印鑑手続きの進め方
会社名変更と法人印鑑の変更を同時に進める場合は、次の順番で整理すると分かりやすくなります。
- 新しい会社名と変更日を決定する
- 定款変更や社内決議など、商号変更に必要な手続きを行う
- 新しい会社名で法人印鑑を注文する
- 法務局へ商号変更登記を申請する
- 法人実印を変更する場合は改印届を提出する
- 金融機関で口座名義や銀行印を変更する
- 税務署・都道府県・市区町村などへ変更を届け出る
- 年金事務所などへ事業所名称の変更を届け出る
- 取引先へ会社名変更を案内する
- 角印・ゴム印・名刺・封筒・請求書などを新会社名へ切り替える
法人印鑑の作成には日数がかかる場合があります。
商号変更登記の申請直前になって慌てないよう、会社名の表記が正式に決まった段階で早めに準備しましょう。
商号変更後に印鑑以外で確認したいもの
会社名を変更すると、法人印鑑以外にも多くの変更が発生します。
特に、旧会社名が印刷・登録されているものは漏れなく確認しましょう。
- 法人口座の名義
- クレジットカードや各種決済サービス
- 税務署や地方自治体への届出
- 健康保険・厚生年金の事業所名称
- 労働保険や雇用保険関係
- 許認可や登録
- 賃貸借契約
- 電話・インターネット・電気などの契約
- 取引基本契約書
- 請求書・見積書・納品書・領収書
- 名刺・封筒・伝票
- 会社ホームページ
- メールアドレスやメール署名
- 看板・店舗表示
- SNSや各種Webサービスの登録名称
法人番号は、会社名を変更しても同じ法人である限り、通常はそのまま引き継がれます。
一方、会社名が記載されている名刺、封筒、ゴム印などは、新会社名に合わせて作り直す必要があります。
会社名変更用の法人印鑑はいつ注文する?
新しい法人印鑑は、正式な会社名の表記が確定した段階で注文するのがおすすめです。
特に、次の点を確認してから注文しましょう。
- 株式会社・合同会社などを会社名の前後どちらに付けるか
- 漢字・ひらがな・カタカナの表記
- ローマ字の大文字・小文字
- 中点、ハイフン、ピリオドなどの有無
- 登記する正式な会社名と一致しているか
似た会社名や仮の名称で先に印鑑を作ると、登記する商号が変更になった場合に作り直しが発生します。
株主総会などで商号変更が正式に決定し、登記する表記が確定してから注文するのが安全です。
ただし、変更日直前の注文では間に合わない可能性があります。会社名を決定するスケジュールと、法人印鑑の製作日数をあわせて考えましょう。
会社名変更では法人印鑑をセットで作り直すべき?
会社名変更に伴って法人実印を作り直す場合は、法人銀行印や角印も一緒に見直すと効率的です。
法人実印だけを新会社名に変更しても、銀行印や角印に旧会社名が残っていると、後から追加で作り直すことになります。
| 作り直す内容 | 向いているケース |
|---|---|
| 法人実印のみ | 銀行印や角印に会社名が入っていない、または使用していない場合 |
| 法人実印・銀行印・角印の3本 | 会社の主要な印鑑を新会社名に統一したい場合 |
| 法人印鑑3本+ゴム印 | 請求書や契約書などの日常業務までまとめて切り替えたい場合 |
法人印鑑をまとめて変更する場合は、単品で別々に注文するより、3本セットなどで揃えた方が管理しやすくなります。
会社名変更と法人印鑑についてよくある質問
会社名を変更したら法人実印は必ず作り直しますか?
必ずしも作り直さなければならないとは限りません。
旧会社名が入った法人実印を引き続き使用できる場合があります。
ただし、登記上の新会社名と印影内の旧会社名が一致しなくなるため、実務上は新会社名で作り直す方が分かりやすいでしょう。
旧会社名の法人実印を使うと契約が無効になりますか?
印影に旧会社名が入っていることだけを理由に、直ちに契約が無効になるとは限りません。
ただし、相手方から商号変更の経緯や印鑑の有効性について説明を求められる可能性があります。
重要な契約では、登記事項証明書や印鑑証明書の提出条件を相手方へ確認してください。
新しい法人実印を作っただけで変更は完了しますか?
いいえ。新しい法人実印を法務局への届出印として使用する場合は、印鑑(改印)届書を提出する必要があります。
印鑑を作成しただけでは、法務局に登録されている印影は変更されません。
会社名変更後も同じ印鑑カードを使えますか?
法人実印の改印だけであれば、現在の印鑑カードを引き続き使用できる場合があります。
ただし、本店移転や代表者変更など、ほかの変更も同時に行う場合は取扱いが変わる可能性があります。管轄法務局へ確認してください。
法人銀行印も必ず作り直しますか?
金融機関によって取扱いが異なります。
旧会社名の銀行印を継続できる場合もありますが、口座名義の変更とあわせて新しい銀行印へ変更する会社が多くなっています。
口座を開設している金融機関へ確認しましょう。
角印だけ旧会社名のままでも使えますか?
角印は法務局に登録する印鑑ではありませんが、請求書や見積書に記載された新会社名と、角印内の旧会社名が異なる状態になります。
取引先の混乱を避けるため、新しい会社名で作り直すことをおすすめします。
住所が変わらなければゴム印はそのまま使えますか?
ゴム印に旧会社名が入っている場合は、住所が変わらなくても会社名部分の変更が必要です。
組み合わせ式のゴム印であれば、会社名の部分だけを交換できる場合があります。
会社名変更前に新しい法人印鑑を作れますか?
正式な新会社名の表記が確定していれば、変更登記の前に作成できます。
商号変更登記と改印をスムーズに進めるためにも、変更日から逆算して準備するとよいでしょう。
まとめ|会社名変更後は法人印鑑をまとめて見直す
会社名を変更したからといって、旧会社名の法人実印が直ちに使えなくなるとは限りません。
法人実印の作り直しは、商号変更だけを理由とした法律上の義務ではありませんが、登記上の会社名と印影内の会社名が異なる状態になります。
取引先や金融機関への説明を分かりやすくし、今後の書類作成をスムーズにするためには、新しい会社名で法人実印を作り、改印手続きを行う方法がおすすめです。
この記事のまとめ
- 会社名変更だけで法人実印の作り直しが必須になるとは限らない
- 旧会社名の法人実印を継続使用できる場合がある
- 新会社名との不一致を避けるなら、新しい法人実印への改印がおすすめ
- 法人銀行印は金融機関へ変更方法を確認する
- 角印やゴム印は新会社名で作り直すのが基本
- 新しい法人実印を使うには法務局への改印届が必要
- 印鑑だけでなく、名刺・封筒・請求書なども確認する
会社名変更の際は、法人実印だけでなく、法人銀行印・角印・ゴム印をまとめて確認しましょう。
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